
当研究室では、微生物機能を分子レベルで理解してこれを制御し、循環型社会で活用する機能開拓を目指しています。まだまだわからないことだらけの微生物の無限の力を信じて、新しい生命原理の解明と、資源・環境問題解決に、研究室一丸となって取り組んでいます。
主な研究対象は、メタンやメタノールなどのC1化合物を利用するC1微生物です。C1微生物は二大温室効果ガスであるメタンとCO2の間の地球規模での炭素循環を駆動しています。また近年、植物からのメタン・メタノールの生成・放出や、C1微生物による植物への生長促進効果などが明らかになってきました。このような大規模炭素循環においてC1微生物がどのような役割を果たしているのか?C1微生物の細胞機能について、分子レベルでの理解と制御を主眼とした基礎研究を行うとともに、C1微生物機能を活用した低環境負荷型バイオ生産や作物増収など、資源・環境問題の解決と脱炭素・循環型社会の実現を目的としたバイオテクノロジー新技術の開発を行っています。研究内容の詳細は随時更新予定の「PROJECTS」を参照して下さい。
化学と生物を軸にして基礎および応用研究を展開する「農芸化学」あるいは「応用生命科学」という学問領域は、将来の持続可能社会を構築していくうえで今後ますます発展が期待されます。この領域で活躍できる人材には、どんな分野にも対応できる幅広い知識と、独自の視点から課題を設定しそれを解決する能力が求められます。生命現象についてはまだまだ「わからないこと」だらけですので、どこまでわかっていて何がわかっていないのかを知っておくこと、いわゆる「無知の知」が極めて重要です。自分の研究テーマに関することはもちろんのこと、周辺分野についても学ぶことで見識を広げ、課題設定・解決能力を身に付けることができると考えています。
当研究室の特徴の一つとして、研究室が一体となって様々なことに取り組んでいる点があります。研究グループはいくつかありますが、スタッフを含め研究室の誰にでも相談できる環境があります。研究だけでなく、ソフトボールなどの行事も含めて、何事にも一生懸命、楽しく取り組んでいます。研究内容や研究室の雰囲気をより詳しく知りたい方は、是非、研究室見学にお越し下さい。
2025年4月1日
制御発酵学分野教授 由里本博也