未来型天然資源としてのC1化合物とバイオマス

炭素資源のバイオ利用と環境技術の開発・食糧生産は、人類にとって最重要課題である。直接利用できる未来型資源に、化石資源(石油や石炭)・バイオマス・天然ガスがある。この中で天然ガスの主な成分であるメタンと容易に工業生産できるメタノールが、燃料として有望視されている。CO2の数十倍も温暖化効果の高いメタンは、大気中濃度が年間1%ずつ増え続けていて、その削減も急務である。これらのC1化合物は、植物から大量に放出されており、未利用バイオマス資源としての潜在性を秘めている。

最近、メタンやメタノールを食べる微生物が植物表層に共生して、温室効果ガスの放出を抑制し、植物の生育を促進することを見いだし、その分子機構や生物間相互作用の解析を中心に、温室効果ガスを抑制する技術の開発、作物収量向上に向けた研究を行っている。

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