研究成果が「Nature Structural & Moleular Biology」誌に掲載されました。

掲載・発表日:2019/03/27

研究成果が「Nature Structural & Moleular Biology」誌に掲載されました。

 本研究は、東京大学大学院医学系研究科 水島昇 教授、中国農業科学院 Honglin Jia 准教授、微生物化学研究会 野田展生 部長、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 北潔 教授ら、国内外との共同研究で、一部の酵母や、マラリア原虫・トキソプラズマのような寄生虫では、Atg12-Atg5の共有結合、さらにその共有結合の形成に必要なATG10遺伝子や Atg12のC末端のグリシン残基をゲノムから失う縮小進化が起こっていることを発見しました。
京大のグループでは、メタノール資化性酵母コマガタエラ酵母Komagataella phaffii (旧名Pichia pastoris)を用いて、Atg12-Atg5は共有結合で結ばれていないが、Atg5-Atg12分子間の相互作用がAtg8の脂質化、さらにオートファジーに必要なことを示しました。
 今後、オートファジーの微妙な制御によるタンパク質生産の効率化や寄生虫症をコントロールするための新しいターゲットとなることが期待されます。

Yu Pang, Hayashi Yamamoto, Hirokazu Sakamoto, Masahide Oku, Joe Kimanthi Mutungi, Mayurbhai Himatbhai Sahani, Yoshitaka Kurikawa, Kiyoshi Kita, Nobuo N. Noda, Yasuyoshi Sakai, Honglin Jia & Noboru Mizushima
Evolution from covalent conjugation to non-covalent interaction in the ubiquitin-like ATG12 system
Nature Structural & Molecular Biology (2019)

また同紙、News & Views に本研究に関する紹介記事が掲載されています。

Varnesh Tiku & Ivan Dikic 
Autophagy without conjugation
Nature Structural & Molecular Biology (2019)

また京都大学のホームページでも、紹介されました。